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ホスピタルアートで入院生活が豊かに-芸術より医療に金を使え?

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筆者が突然入院することになった病院には各階に絵画が飾られていた。入院生活は実に単調であるから、病室の窓から見える緑や空を飛ぶ鳥など今まで特別意識していなかった存在がよくみえるようになった。

●「ホスピタルアート」を実体験して病室で絵を描き始めた


病院に飾られている芸術品にも名前がある。「ホスピタルアート」と呼ばれている。芸術品が患者に癒し(ヒーリング)を与えることから「ヒーリングアート」とも呼ばれる。
私は芸術が大変好きであるから、このように病院が積極的に芸術を取り入れる動きは喜ばしいことだと思う。
大阪府堺市にある耳原総合病院ではおよそ3,400万円をホスピタルアートに費やしているという。(参考URL: https://style.nikkei.com/article/DGXKZO97020380W6A200C1TZT001
これはすごい。しかし、大金を支払わなくても少額でもアートに投資してみようと考える病院が今後も増えてくれるいい。
実際に、私は入院患者としてヒーリングアートに触れてみて、芸術の素晴らしさを再確認することができた。気がつけば、病室で絵を描き始めて、夢中になりすぎて、シーツを汚してしまったこともあった(ごめんなさい)

●「アートなんかより医療に力をいれろ」という意見はごもっともだが


正直、事故や病気で痛みの渦中にあるとき、芸術なんてどうでもいい。生きるか死ぬか、という状況で病室に飾られた絵画を眺める余裕はない。だから、"アートなんかより医療に力をいれろ"という意見はごもっともである。しかし、もし内壁が真っ白の病院で入院生活を過ごせるか、と考えたら?私は無理である。色が人に与える効果というのは計り知れないものだ。それがもし長期間に渡る入院生活なら、なおさら病院のデザイン性・アート性というものが大切になる。

どうやらホスピタルアートほ医者や看護師など医療従事者にも良い影響を与えているようだ。無機質な病院が芸術によって彩りを与えられ、その効果が医療従事者の働き方にも作用している。これは"アートなんかより医療にお金を使え"という意見を持つ人々に新しい視点を与えるのではないだろうか。

●"あそこの病院よりこっちの病院の方がアート性が高いから"なんて判断基準が生まれる未来


ホスピタルアートがもっと発展していけば、患者は医療性だけではなく「アート性」も病院選びの判断基準にするからもしれない。そんな未来が来れば素晴らしい。
生涯で芸術活動に取り組んだ人なら、無機質な病室で息をひきとるよりも、芸術に囲まれて最後の瞬間を迎えた方が幸せだろう。日本画をやってきた人ならセンスのある日本画がある病院に入院する。他の患者もそのようにして集まれば、患者同士で「日本画についての議論」が始まるかもしれない。

入院生活は孤独である。
他の患者とコミュニケーションをしたくても何を話して良いかが分からない。そんなとき、もし芸術の力が借りれれば、入院生活を少し豊かになることができるのではないか。

皆さんの印象に残るホスピタルアートはなんですか?